企画・開発を自社で行い、外注で製造した商品を自社ブランドの名前を付けて市場に卸す製造問屋は、玩具業界において製品の企画・開発・生産計画のみならず、流通面でも大きな影響力を持つ。しかし、製造問屋の中で生産機能を有するメーカーへ変化する問屋や、卸売機能をあわせ持つメーカーが出てきており、現在においてはこれまで卸売業が果たしてきた機能が変わろうとしている。インターネットでの玩具販売も年々売上高を伸ばしてきており、玩具の流通はこれから大きく様変わりしていくだろう。
卸売業で最も重要なのは優れた商品開発力と販売力を持ち合わせているかであり、売れ筋商品をどれだけ品揃えできるかが生命線と言っていい。多様化する消費者ニーズを背景に、他業種である食品メーカーやエレクトロニクス関連・IT企業などと連携して商品開発を進める動きも活発。キャラクター開発のノウハウを生かしたいわゆる「食玩」の供給は一時のブームこそ収まったものの根強い人気があるし、携帯コンテンツ会社と連携した携帯アプリゲームも好調だ。
一部大手小売店は卸売りを通さずに直接商品を買い付け、流通コストを省くことで低価格を実現している。流通が変化しつつある中で今後も卸売業が存在をアピールするには、既存チャネル以外に新しい販路を開拓していく必要がある。少子化が進む中、子どもの客を中心とする玩具専門店は大きな伸びが見込めず、若い女性を引き寄せる雑貨店販路の開拓も試みられている。
玩具市場は今後も減少が進むと見られており、各メーカーとも市場開拓に向けた商品開発を行っている。そんな中、キャラクター企画力の強い
サンリオと商品化に自信を持つ
タカラトミーが、新キャラクターの共同拡販によって購買のターゲットを広げようとしている。キャラクター商品はあたりはずれが大きく、同業者の競合も多いといった不安定な部分が多いため、2社はお互いの強みを生かし、販売チャネルを共有することによってシェアの拡大、収益確保に力を入れていると見られる。