物どうしを接着させるため、かつてはでんぷんで出来た糊やタンパク質で出来たニカワ、ゴムなどが主に使用されたが、化学工業が発達したことにより、合成樹脂接着剤が多く使われるようになった。形状によって液状接着剤と固体接着剤に分類される。また、化学構造の分類によってビニル重合体・ゴム系・無機などに分けられ、需要先の業界は自動車・建築・電機など多岐にわたる。
日本接着剤工業会がまとめた種類別生産量・用途分野別出荷量の推移を見ると、平成16年の総生産量は110万4991トン。近年は生産量の減少が続いていたがようやく回復基調となり、前年(15年)と比べて2万1528トンの増加となった。用途分野別に目を移すと、一時期全需要の約5割を占めていた合板用の減少が止まらない。平成12年には29万4236トンだった生産量が、16年には23万4036トンと約2割減っている。また全需要に対するシェアも3割を切った。代わりに生産を伸ばしているのは自動車用で、平成12年の4万6580トンから16年は7万5190トンと大幅に数字を伸ばしている。
これまで需要の中心だった合板市場の拡大は難しいが、代わりに高い技術力を生かして様々な分野で需要を拡大してきた。大手化学系や外資系メーカーの参入で競争は激化しているが、性能や用途などで他社との差別化を図り、ユーザーの要求に応じた製品をタイミングよく提供していかなければならない。
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