プラスチック押出成形とは、断面が同一の形状である製品を連続的に成形する加工法である。パイプやビニールシート・包装用のフィルムなど、代表的な製品には日用品や生活用品、文房具などポピュラーなものが多い。

バブル崩壊後の生産額は減少基調で推移している。経済産業省の統計によると、平成16年のプラスチック製品生産実績は全体で563万0200トンと、前年の595万2875トンから32万2675トンの減少となっている。押出成形製品ではパイプが54万2711トン(対前年比90%)と大きく数字を落としているのに対し、食品包装用のラップなど高機能品の需要が高まっているフィルム・シートは、221万6806トン(同97%)で、プラスチック製品全体の生産額の落ち込みに比べると健闘しているといえる。
業界は環境負荷性が問題となる食品包装用フィルム・シートや建材を環境にやさしい素材に転換するなど、環境問題への取り組みに積極的。非塩素系素材や生分解性プラスチックなど高機能製品の開発も着々と進んでいる。
押出成形品は全般に輸送効率が悪く、レジ袋など低価格品を除くと輸入製品は少ない。しかし、中国を中心とするアジア諸国も技術レベルを上げてきており、今後国内市場が脅かされる可能性もある。生産コストの違いから価格競争になれば分が悪いため、市場ニーズの多様化に対応した高付加価値製品の開発を怠ることはできない。