射出成形加工とは、加熱して流動状態にしたプラスチック材料を、閉じた金型の空洞部に加圧しながら注入し、金型内で固化させて成形品を造る方法のこと。プラスチック製品の加工法の中では最も一般的で、成形サイクルが短く、連続生産が可能なため大量生産に向いている。メーカーは運搬コストを削減するため、工場を需要地近くに立地させており、滋賀県や愛知県、首都圏周辺に立地が集中している。
市場は成熟状態。バブル崩壊後の不況に加え、アジア諸国からの安価な輸入品の増加により生産高は低調基調となっている。またプラスチックの原材料となる原油の価格高騰もあり、メーカーは利益を確保するため、生産コスト削減を強いられている。
主な需要先の自動車・電機メーカーが海外への生産拠点のシフトと部品の現地調達を進めており、国内市場の縮小が危惧されている。今後は世界的にも評価の高い金型製造技術を生かし、ニーズの多様化に対応した高付加価値商品を開発することにより、いかに安価な輸入品との差別化を図れるかが生き残りへ向けての鍵となってくる。
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