プラスチックの大量生産が可能になった第2次世界大戦後、安価で量産できるという利点を生かしてプラスチックの日用品への利用範囲は年々拡大していった。しかし、バブル崩壊後は消費低迷が長期化、またアジア諸国から安価な製品の輸入が増加していることもあり、生産量は減少している。
日本プラスチック工業連盟が発表した統計によると、平成17年のプラスチック日用品・雑貨の生産量は23万8915トン。前年の25万2407トンから比べて94.6%と厳しい数字になっている。平成12年の35万0093トンから5年間で約3割も生産量が減少したことになる。理由としては消費者ニーズが安価なものへとシフトし、ディスカウント店や100円ショップなど低価格を売りにする店舗で日用品を買い求める消費者が増えたことなどが挙げられる。工程が単純で高度な技術を必要とせず、同一製品の量産・大量販売が可能な日用品は、生産コストの安いアジア諸国で大量生産された製品にシェアを奪われている。
経済産業省の「平成16年工業統計表」によると、従業員を4人以上有する事業所は713ヵ所。13年調査時の1296ヵ所から大幅な減少となっている。業績の悪化による転廃業や倒産も相次ぎ、業界の現況は大変厳しい。
環境問題への関心の高まりから、プラスチック製品もリサイクル・リユースできる製品へ生産がシフトされつつある。今後これ以上の業界縮小を避けるために、消費者ニーズに対応した高付加価値商品を開発して、安価で輸入される製品との差別化を図っていきたいところだ。
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