セメント製造業(窯業・土石製品)|フィデリ・業種ナビ

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【セメント製造業】業界動向/マーケティング情報

 セメントとは、石灰石、粘土、肉骨粉などを混ぜて燃やした粉状のもので、水と反応(水和)すると固化し、コンクリートやモルタルの原料となる。日本で生産されるセメントのうち、約8割が土木建築用に用いられるポルトランドセメントとなっている。
 
 経済産業省の「窯業・建材統計」によると、セメントの生産量は、ピークとなった平成8年(9927万トン)以降は減少傾向で、平成17年は6962トンと、ピーク時より3割の減産となっている。国内需要を見ると、バブル経済崩壊後は阪神大震災後の復興需要などで回復した時期もあったものの減少基調。公共工事が全国的に抑制傾向にあるため、その影響を大きく受けている。しかし平成17年の年間需要は前年比101.6%と、4年続いた前年割れに歯止めがかかった。民需の回復に加え、平成16年に集中豪雨や地震などの自然災害が相次いだことで復興需要が発生したことも要因に挙げられる。輸出は中国を筆頭とするアジア諸国、中東、オセアニア向けが好調。セメント協会では平成17年の輸出量を、対前年比101.9%の1060万トンと予想している。
 
 国内の需要は頭打ちであり、さらなる成長が期待されるアジア諸国への輸出拡大に期待がかかる。欧米メーカーとの競争はし烈だが、優位に立つ製造技術を生かし、高付加価値製品の開発で活路を見出したいところだ。またセメントは重量が重いため、輸送コストがかかり、一般に販売価格の30%が物流費といわれている。物流コストが各メーカーの収益を圧迫しているため、他社との交換出荷など物流改革を行い、コストを圧縮する必要がある。さらに収益改善を図るため、セラミックス事業などへの進出も視野に入れておかなければならない。
 エネルギー多消費型産業のため生産コストに占める燃料費の割合が高く、廃タイヤなどの燃料系産業廃棄物を積極的に受け入れて活用することでコスト削減に努めてきた。しかし石油や石炭の価格高騰に加え、他業界も産業廃棄物を燃料として使用するケースが増えてきており、燃料調達の環境はさらに厳しくなりつつある。
 
 廃油などを原料とするエマルジョン燃料など処理が困難で他業界ではあまり利用されない廃棄物への転換などに取り組んでいるが、設備投資費用がかかるためセメント製造各社の収益を大きく圧迫している。激しいシェア争いを勝ち抜くために安値で推移してきた出荷価格の値上げを主要需要先であるコンクリート業界に要求しているが、公共工事の削減が続いているため値上げを受け入れる余力がなく、交渉は難航している。今後は環境関連を中心とした事業の多角化などで収益を確保する方向に向かうと予想される。
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