米作農業(農業)|フィデリ・業種ナビ

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【米作農業】業界動向/マーケティング情報

日本米の起源は中国の福建米であるとされ、縄文時代には現在の福井県で米の栽培が既に始まっていたことが確認されている。日本における食文化の基盤であり、租税(年貢)としての役割や、農村共同体をはじめとする社会組織の形成など、コメは元来農業国である日本の国家生成において、その中核として大きな役割の数々を果たしてきた作物であるといえる。
 
高温多湿である日本の気候は、農作物が育ちやすい環境に適している。コメは長期間の保存が可能であり、米飯は魚や野菜、味噌などとの相性も良い。日本人は古来よりコメを主食とし、栄養価に優れた副菜とともに「和食」として形作られた特有の食生活で健康を保つことにより、年々寿命を延ばしてきた。
 
米の1人1ヵ月当たり消費量(g)しかし食の欧風化が年々進んでおり、主食をパンやパスタなどに切り替える世帯が増えたことや、栄養素の多くが炭水化物で占められていることから「太りやすい」という誤ったイメージが世間に持たれているなどの原因もあって、コメの国内消費量は減少の一途をたどっている。農林水産省の調査によると、平成17年度における国民1人あたりの月間消費量平均は4877g(前年度比0.7%減)で、平成15年度に5000gを割り込んで以降も減少が止まらない状況である。
 
生産者の4割以上が65歳を超えており、高齢化と後継者の確保が深刻な課題となっているが、他方においては消費者の安全・安心志向に機敏に対応し、有機栽培や減化学肥料など様々な特色を持たせたオリジナルブランド米を有利な価格で流通していく動きが急速に高まっている。人口の減少と高齢化が進んでいくことで、長期的には一層の需要量減少が予測されており、需要動向に応じた計画生産のみならず、米以外の麦や大豆等を組み合わせた経営の多角化が非常に重要となってくる。
政府によるコメの生産調整は昭和45年から始まっており、減反政策などによって稲作を減らされた米作農家は、生計維持のために他の作物を手掛けるなどの必要に迫られた。さらにはウルグアイ・ラウンド農業合意によるコメの貿易自由化によって、毎年国内の収穫量に関係なく一定量の外国米が輸入されている。古米、古々米の貯蔵によって、収穫が少ない時でも安定的な供給がなされてきたコメだが、世界的な異常気象が深刻化している中、農作物に与える影響がこの先徐々に大きくなる可能性については、自給率が低下している現状を含めても考えておきたいところだ。現に平成5年、夏場に雨が降り続いて大凶作に見舞われ、消費の一部を輸入米に頼らざるを得なくなった、いわゆる「平成の米騒動」は記憶に新しい。
 
地球温暖化や地下水の渇水の影響などにより、世界各国で土壌の塩分濃度が高くなる塩害が稲作に深刻な被害をもたらしていることを受けて、このたび理化学研究所と東北大学の研究チームは耐塩性のあるイネを開発した。短期間での変異の固定化を可能にする特殊な炭素イオンをイネの種へ照射することにより突然変異を誘発、従来の1.5倍の耐塩性を持つイネの作出に成功したという。これらの変異株を交配親として用いれば、塩害水田でも正常に育つイネの育種へとつながることが期待され、早期の実用化が望まれる。
 
国内農業の生産構造改革の一環として、集落営農への取組みも見られる。集落営農とは1つまたは複数の集落を単位として農業経営に共同で取り組む形態のことで、肥料や農薬の共同購入や農業用機械の共同利用などによって小規模な農家や兼業農家でも生産コストの削減を目指すことができる経営形態だが、効率的かつ安定的な農業経営を目指す農林水産省などの公共団体では組織化や法人化を目指しており、今後は生産過程のみならず経理・経営の一元化にも力を入れていく必要性がありそうだ。
 
コメ市場の開放は輸入米を受け入れることだけでなく、国産米を世界に広める契機にもつながるメリットを持つ。07年の夏にも日本産のコメが中国に対して輸出を4年ぶりに再開する見込みとなり、中国の経済成長に伴うコメ市場の拡大に呼応する形で本格的な参入を目指すことになる。海外でコメの消費量が増加すれば、質の良い日本のコメに対する関心も高まると予想されるだけに、アジア各国だけでなく欧米などへの輸出量を増やすための足掛かりになることが期待されている。
 
《業界情報サイト》
農林水産省(http://www.maff.go.jp/)
全国農業協同組合(JA)(http://www.zennoh.or.jp)

【業界キーワード】

◆◆ 米政策改革大綱 ◆◆
平成14年12月、政府・与党において取りまとめられた米政策の抜本的・総合的見直しに向けての施策。
《参考サイト》
農林水産省(http://www.maff.go.jp/)
◆◆ 米穀価格形成センター ◆◆
平成16年4月、それまでの「自主流通米価格形成センター」に代わり新たに制定された制度。計画流通米と計画外流通米という区別から「民間流通米」「政府米」という区別に変更され、安定供給にむけた流通制度改革を特徴とする。
《参考サイト》
農林水産省(http://www.maff.go.jp/)
◆◆ 農地法 ◆◆ 
農地の権利移動や買収・譲渡等を定めた法律。



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