野菜作農業(農業)|フィデリ・業種ナビ

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【野菜作農業】業界動向/マーケティング情報

野菜は比較的自給が容易な食物である。近年では土地に畑を持つ世帯が減っている一方で、家庭菜園をはじめとした手軽な形で、自分で野菜を育てている世帯は多くなっている。野菜栽培は収穫までに多くの時間と手間を要し、天候などの自然条件にも左右されやすい。またビニルハウスなどの温室栽培には多額のコストを要するなど、長い歴史を持つ農業は、達成感の裏に数々の苦労を伴う尊い仕事である。

野菜については海外諸国からの輸入が年々増加傾向にあり、ネギやニンニク・ブロッコリー等、輸入比率が30%を超えるような品目もある。安価で購入できるメリットがあるために、今後の動向次第で生産に影響がでてくる可能性もあるが、近年の健康志向によって食に対する安全を求める消費者も増えており、輸入野菜が敬遠される動きも少なくない。

生鮮野菜(生鮮・冷蔵)輸入量の推移(トン)

気候や気象条件・自然災害により生産量を左右されることが多く、短期間で価格変動の激しい市場である特徴を持つだけに、立地や土壌、栽培設備の充実なども野菜農家には求められていくことになる。近年は異常気象の頻発によって安定した生産が難しくなりつつあるが、その課題にいち早く対応する形で、IT化による冷暖房制御や換気制御で高品質を確保している生産者や、屋内でコンピュータ管理による栽培環境のもと、均一化された野菜を大量生産、出荷する業者(「野菜工場」とも呼ばれている)も急増している。価格面においても産地の商品より割安で売られるケースもあって、無農薬のものも多いことから消費者の関心も今後高まることが予想される。

機械的に作られる農作物がだんだんと増えていく中、安定した供給や安全性の向上が図られていく一方で、野菜本来の、手作りの味覚や季節感が時代とともに失われていく寂しさもある。消費者ニーズの変化に対応する流れは仕方ないにせよ、天然の環境下で作られた昔ながらの野菜農家による商品も、極端に高騰することなくこれまでどおりの流通が続いていくことを望みたい。

原油価格の上昇によって、ビニールハウスをはじめとする室内栽培においてはエネルギーのコストにおける負担が増すという問題も起こっている。農林水産省も石油に代わる燃料モデルとして家畜の糞尿や生ごみから発生するメタンガスからの発電技術などを提案して事業化するプランを立てており、原油高騰を契機とした資源の有効な再利用への取り組みは、農業の分野においても今後さらに進んでいくことだろう。

国は循環型社会の実現を目指し、畜産物の糞尿など生物由来資源であるバイオマスの活用を推進している。その一環としてりんごの葉などから抽出したエキスを使用した健康補助食品や、米糠を利用したセラミックスが実用化されるなど、全国各地で農業廃棄物の再利用を試みる活動が行われている。しかしバイオマスを資源として取り扱うには集積する手間とコストが必要で、再利用可能な資源があるのにもかかわらず、十分に利用されていないのが現状だ。今後は国・地方自治体・農協・農業従事者など地域内のあらゆる関係者が連携して、バイオマスの発生から利用までを効率的なプロセスで結び、様々な種類のバイオマスが有効的に活用されるシステムの早期構築が望まれる。

安定した気候が影響して、平成18年の国内野菜は収穫量、出荷量ともに前年を大きく上回る水準となった。しかし通常の流通では市場価格の大幅な下落につながるため、各地の農家では収穫した野菜の余剰分を廃棄する動きが見られた。需給調整の一環で豊作のたびに行われている措置ではあるが、ピーマンなど国からの交付金が出ない作物についても自主廃棄という形で処分される光景が見られ、食物の慣例的な廃棄を問題視する声も出ている。現状は肥料への転換が主な再利用法だが、栽培農家の心理的な側面もあることから、食用を基本に考えた違った形での活用を考えなければならない必要もあるのではないか。

この業界の関連サイト

(社)日本施設園芸協会(http://www.jgha.com)
全国農業協同組合連合会(JA)(http://www.zennoh.or.jp)

★ おすすめリンク

◆◆ 緊急需給調整 ◆◆
豊作で出荷量が増えることによる市場価格の下落を抑制する目的で、収穫の余剰分を廃棄して出荷量を調整した生産者に対して交付金を交付する事業。社団法人全国野菜需給調整機構が実施している。

◆◆ 養液栽培 ◆◆
生長に必要な養水分を養肥として与える栽培方法で、培地を用いない水耕栽培・噴霧耕と培地を用いた固定培地耕がある。現在、野菜類にも果菜類の栽培に多く用いられている方法。培地に土を用いたものは、養液栽培には含めず、養液土耕という。

《参考サイト》
日本養液栽培研究会(http://www.w-works.jp/youeki/)

◆◆ 雨よけ施設 ◆◆
作物の品質向上を図るため、雨が直接あたらないようにフィルムで被覆した施設。岐阜県恵那市で開発、導入された。



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