鋳鉄管には直線方向で使用する直管と、方向・口径を変えるときに使用する異形管がある。使用する材質は普通鋳鉄に比べて強度・耐衝撃性に優れるダクタイル鋳鉄がほとんどとなっている。経済産業省の「平成16年 工業統計表」によると、従業員を4人以上有する事業所は55ヵ所、従業員数は3729人となっている。
直管の製造には多額の設備投資が必要になるため、国内の製造メーカーは
(株)クボタ・
(株)栗本鐵工所・
日本鋳鉄管(株)の3社のみであり、その中で(株)クボタが約6割のシェアを占めている。異形管は直管に比べ種類が多く、多品種少量生産を行っており、中小メーカーや鋳鉄鋳物メーカーの兼業が多い。
鋳鉄管の需要は上水道、下水道・工業用水用など、ほとんどが公共工事、特に水道工事向けの需要となっている。その事情もあって、昨今の公共投資額の低迷は業界に暗い影を落とし、業績悪化にも大きく関係している。しかし老朽管である石綿セメント管、鋳鉄管などの更新が急がれ、厚生労働省も「水道ビジョン」の中で、災害対策等の充実を目指し基幹管路(導水管、送水管及び配水本管)の耐震化率を100%にするという施策目標を掲げ、耐震管への取替えを進めており、高機能鋳鉄管の需要拡大が期待される。