金庫は火災対策として使われる「耐火金庫」と盗難や犯罪の防止を目的とした「防盗金庫」の2つのタイプに分類される。用途によって家庭用と業務用に分けられ、一般に家庭用には耐火金庫、業務用には防盗金庫が用いられる。最近ではコンピュータやOA機器の普及により、磁気メディア耐火庫やフロッピーメディア耐火庫などの特殊耐火金庫が需要を伸ばしている。家庭用と業務用でメーカーも区別され、流通ルートも異なる。家庭用は卸売業者を経由して小売店で販売され、業務用は代理店経由で販売されることが主になっている。
他の金属製品製造業に比べて市場規模は小さく、経済産業省の「平成16年工業統計表」によると、従業員を4人以上有する事業所数は27ヵ所、従業員数は1164人となっている。バブル崩壊後は需要の減少が続いていたが、主要需要先である金融機関の業況が上向きになり、需要増が期待される。また景気回復を背景に、都心部のオフィスビルの入居率が上昇、法人向け金庫・保管庫の需要も回復しつつある。
近年、金庫の持ち去りやこじ開けなどによる盗難事件が急増しており、高度な防盗対策を施した製品の開発が待たれる。またGPS搭載や警報装置・監視カメラを取付けるなど、警備システムとの併用により総合的に危機管理を行えるシステムの整備などが普及していくことにも期待したい。
《業界情報サイト》
◆◆ 焼きならし ◆◆
高温加熱による組織変化で生じた内応力を除去すること。
◆◆ 焼きなまし ◆◆
鋼の結晶粒度を調整し、軟らかくする操作。完全焼なまし、等温焼なまし、球状化焼なましなどの種類がある。
◆◆ 焼き入れ ◆◆
鋼を硬く、強くするために行う熱処理。
◆◆ 焼き戻し ◆◆
焼き入れや焼きならしを行った鋼について、硬さを減少させ粘り強さを増加させるために行う熱処理。
◆◆ 高周波焼き入れ ◆◆
金属の一部だけ硬度を上げるため、材料に高周波を当て、材料自体の電気抵抗によって発熱させてから水・油で冷却して効果させる熱処理。
◆◆ 窒化 ◆◆
鋼の表面に活性化窒素を浸透させて、表面を硬くする方法。