食品機械とは、主として農産物、畜産物または水産物を加工処理し、これを多種多様な食品、飲料、調味料などに調理・生成するための工程で用いられる食品機械・器具及び装置のこと。精米麦機械・製粉機械・製麺機械・水産加工機械・肉類加工機械・飲料加工機械・乳製品加工機械・製パン製菓機械・醸造用機械などがある。
市場は成熟化しているが、需要先である食品産業は好不況に影響されにくい業種のため、食品機械製造業も不況に強い。食品別に多種多様な機種があり、基本的に多品種少量生産の業態である。また食料品を加工するため、安全で衛生的な製品の生産が求められる。経済産業省の「平成16年工業統計表」によると、4人以上の従業員を有する事業所数は817ヵ所、従業員数は1万4964人。全般に中小規模のメーカーが多い。
近年、消費者ニーズの多様化に加え、デフレ経済が長引き、価格競争が激化するなど厳しい状況が続いた。しかし、安全・衛生設備への需要、堅調な輸出などに支えられ、需要も回復基調。日本食品機械工業会の統計によると、平成16年の食品機械販売額は4634億円(対前年比5.8%増)となった。O−157やBSEなど、食の安全を問われるトラブルが常に絶えない現状の中、今後は消費者からの安全性やトレーサビリティへの厳しい要求にいかに対応するかが重要となる。
《業界情報サイト》
◆◆ 精米麦機械 ◆◆
近年では原料の搬入から製品の搬出まで精米工場の電子化・自動化が進み、本体の精米機部分においても白米の歩留まりを常時自動計測し、精米機の運転条件の最適化をコンピュータで自動制御している。
◆◆ 製パン製菓機械 ◆◆
製造する製品によって多種多様の機械が開発され、生地の撹拌から、成形、焼く、蒸すなどの工程においてマイコン制御の電子化が進んでいる。主な機種としては自動包あん機・パン生地の自動製造システムのVMライン、洋・和菓子やパンの生地を作る自動コントロール型ミキサーなどがある。