日本における自転車の歴史は、ミショー型と呼ばれる車種が輸入された明治初期から始まったとされている。民間へと広まっていったのは昭和に入ってからだが、当時はまだ高級な乗り物だったことから車体も高価であった。その後、高度成長期に入って生産が増えたことで一般へも普及が広がり、庶民の乗り物として幅広い世代に使われるようになった。
最近ではアジア諸国からの輸入自転車の増加によって市場は縮小傾向が続いている。経済産業省の「機械統計」によると、平成17年の自転車国内生産台数は約192万6000台(対前年比78.5%)で、平成13年の半分以下にまで落ち込んでしまっている。一方で年間の輸入台数は約914万台(対前年比100.1%)と、こちらは年々増加傾向にある。
自転車の低価格志向が結果的に、輸入車の普及を許すことにつながったほか、中古車販売専門の店舗も増加していることで、今後もいっそうこの流れに拍車が掛かることが予想される。マウンテンバイクやスポーツサイクルも含め、国内市場は最大手のシマノを除いて各社とも苦戦が続いているが、便利で健康的な乗り物であるために根強い需要が今後も間違いなく続いていくことからも、高品質で低価格な車種を開発するための技術革新が国産シェアの回復へとつながっていくことに期待したい。
《業界情報サイト》
(株)シマノ 【東証1部】(http://cycle.shimano.co.jp/publish/content/cycle/sic/jp/ja.html)
宮田工業(株) 【東証2部】(http://www.gear-m.co.jp/)
◆◆ ISO規格 ◆◆
国際標準化機構(International Organization for Standardization)の定める規格。自転車部品もこの規格によって標準化されていることで世界的な互換性が生まれ、積極的な輸出入も可能になる。
◆◆ 軽快車 ◆◆
主に通勤や通学、買物などで使われるタイプの車種。附属品を除いた重量が17kg以上で主に運搬や商用に使われる車種は「実用車」と呼ばれる。