書籍取次業(映像・音声・出版)|フィデリ・業種ナビ

書籍取次業(映像・音声・出版)|フィデリ・業種ナビ

業種ナビ

どんな業種も5分で理解!400種類以上の業種の解説から業界動向まで!


【書籍取次業】業界動向/マーケティング情報

 出版社から書店やコンビニの小売業者へ書籍を流通させる役割を持つ書籍取次業。書籍の問屋、あるいは書籍の卸売業という言い換えも出来るが、この業界では取次と呼んでいる。業界の規模はそれほど大きくなく、社団法人日本出版取次協会への加盟企業は31社(平成17年10月現在)であるが、実質的に売上シェアの大半は、東京に本社を置く日本出版販売と、トーハンの2社が握っている。  
  
 書籍については新刊の点数が伸びている割に売上へとつながっていない状況が続いたが、「ハリー・ポッター」シリーズなど映画やテレビドラマの人気と連動してのベストセラーが相次いだ効果で、売上の減少傾向には一応の歯止めがかかった格好となっている。しかしインターネットやフリーペーパーなどとの激しい競合から、雑誌の売上と収益の落ち込みが止まらず、業界全体で苦戦を強いられている。そんな中、一部取次業者が取り引きする書店に対し、雑誌の販売部数拡大や返品数の削減などのノルマを達成すれば、インセンティブとして定価のうち数%を支払うという販売促進策に着手している。  
  
 書籍や雑誌が売れないことは返品率の高さにも影響してくるため、流通部門の立場からすれば頭の痛い材料となってくる。再販制度によって本については値引きが出来ないため、小売業者は返品が可能な委託販売制度を取る形になるが、流通の大部分が東京で機能しており、地方の出版社にとっては返品の引き取りも含めて移動コストが非常に大きくなるという問題が発生している。  
  
 年々上昇している返品率の問題に対する試みとして、出版社、書店それぞれの業界団体や各企業と共同で、定期購読の販売促進キャンペーンが始まっている。最初の1ヵ月については購読料が無料になるなどの特典がある他、宅配だけでなく書店での受け取りも可能となっている。定期購読需要の拡大による返品の減少、そして流通環境の改善が狙いとなる。  
  
 日本出版販売は、平成17年秋から全国22書店で試験的に取り組んできたポイントカード制度の導入を本格的に進めることを発表した。これは取引先書店と組み、顧客にポイントを付与する対価として属性・購買履歴などの情報を収集し、店舗ごとの客層の違いなどを分析したうえで配本の効率化につなげていく“CRM(顧客関係管理)戦略”の一つだ。このCRMを取り入れることによって、書店側も無駄な仕入れや返品によるコストの削減につなげることが可能となってくる。  
  
 最近では出版社から直接小売業者へ商品を卸す、いわゆる中間排除の動きも増えている。ネット通販においては自費出版の書籍などを、卸を通さず直接仕入れて販売する動きも一部では見られているが、今後再販制度や委託販売制度が見直され、販売の自由化が進んでいく流れになれば、小売業者が書籍や雑誌を買い取って自由に値段をつけられる形態など、特に価格面における競争が活発になる可能性も考えられることから、流通過程において取次業の存在意義もまた違った形で認識されていくことになるかもしれない。  
  
《業界情報サイト》
社団法人 日本出版取次協会(http://www.torikyo.jp)  
  

【業界キーワード】

◆◆ 再販売価格維持契約(再販制度) ◆◆  
卸売、小売業者に対して、生産者があらかじめ定めた価格を維持して売るようにさせる契約。現在は新聞、雑誌、書籍、音楽ソフトに適応されている。  
◆◆ 委託販売制度 ◆◆  
出版社が取次業者を経由して書店に置かれた出版物については、一定の委託期間内であれば売れ残っている商品の返品を可能とする制度。  
  



「フィデリ・ビジネスマナー講座」 | お役立ちビジネス情報

>> ビジネスポータルサイト・フィデリ