タクシー・ハイヤー業(運輸・倉庫)|フィデリ・業種ナビ

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【タクシー・ハイヤー業】業界動向/マーケティング情報

 タクシー・ハイヤー業は「一個の契約により乗車定員十人以下の自動車を貸し切って旅客を運送する一般乗用旅客自動車運送事業」と、道路運送法によって定められている。自動車タクシーの営業は大正時代から始まったが、本格的な普及のきっかけとなったのは昭和に入ってから現れた「円タク」(市内1円均一のタクシーで、大阪が発祥)であり、街中で乗客を拾う「流し」の営業形態もこれ以降増加していった。ハイヤーは利用客の要求によって営業所から派遣されるものと決められており、タクシーのような流しの営業は禁じられている。その分タクシーよりも高級な車種が使用され、サービスの質も高い。  
  
 社団法人全国乗用自動車連合会のデータによると、平成17年3月末現在の数字で、日本には約27万台のタクシー・ハイヤーが存在しており、そのうち4万6000台が個人営業の車両である。長年続いてきた台数の増加傾向は収まったものの、過去最高の水準は維持されている。しかし年間の輸送人員については約23億5000万人と、40億人を超える数字を残したピーク時(昭和45年度)の半分近くにまで落ち込んでいる。  
  
 個人タクシーを中心に台数が伸びている反面、不況によって需要が上がらない状況が何年も続いているが、平成9年以降、法律の改正による規制緩和で需給調整規制が撤廃され、それまでの免許制から許可制へと変わったことで新規参入がさらに進んだ。タクシーの活性化と発展を目指すための制度改革といわれたが、ただでさえ街中がタクシーで溢れている状況において十分な利用客もない中で競争を助長するというナンセンスな方策は、さらなる供給過剰によって交通渋滞を助長し、需要がないために運転手の賃金も上がらず、サービスの質も低下して利用客にも迷惑が掛かるなど、活性化どころか誰一人得をしない大きな社会的悪影響を招く結果となった。  
  
 改正法の中には著しい供給過剰を防ぐために「緊急調整措置」などの制度が導入されているものの、経営環境の改善につながりそうな対策は見られていない。ただ景気回復を待つのみの後ろ向きな取り組み方では、将来的に事業者の大幅な淘汰へと発展する可能性が非常に高い。業界イメージの向上を図る意味でも、福祉・介護タクシー事業への参入や高齢者の多い過疎地へのサービスに重点を置いた地域密着型の経営など、現在の社会において需要が求められている部分への貢献に尽力する姿勢を望みたいものだ。  
  
 またサービス面の強化についても、普通二種免許に加えてタクシー・ハイヤー運転手の専門資格制度を導入するなどの方法でタクシー運転手の職業的地位を高めることが、利用者からの信頼を回復させるためには必要ではないだろうか。業界の在り方を抜本的に見直すために、すぐにでも具体的な現場の整備に着手しなければならない。  
  
 規制緩和による新規参入の増加が招いた供給過剰な状態は依然続いており、原油高の影響を受けた燃料費の高騰などの要因も重なって各社の収益を圧迫、運賃の値上げを申請する事業者が増加している。運転手の構成を全員女性にしたり、自転車や車椅子を積載できるサービスを始めたりと、工夫を凝らしたサービスで売上を伸ばしている事業者もあり、料金以外の付加価値の高いサービスの提供で今後も続くであろう過当競争を勝ち抜いていきたいところだ。  
  
《業界情報サイト》
社団法人 全国乗用自動車連合会(http://www2u.biglobe.ne.jp/~zenzyo)  
国土交通省(http://www.mlit.go.jp)  
  

《主な上場企業サイト》

神奈川中央交通(株) 【東証1部】(http://www.kanachu.co.jp/)  
新潟交通(株) 【東証2部】(http://www.niigata-kotsu.co.jp/)  
大和自動車交通(株) 【東証2部】(http://www.daiwaj.com/)  
  

【業界キーワード】

◆◆ 道路運送法 ◆◆  
昭和26年6月制定。道路運送事業の運営を適正かつ合理的なものとすることにより、道路運送の利用者の利益を保護するとともに、道路運送の総合的な発達を図り、公共福祉を増進することを目的とする。  
◆◆ 需給調整規制 ◆◆  
改正前の道路運送法で定められていた制度。新規参入に際して、当時の運輸大臣が免許を与える判断材料として、当該区域におけるタクシーの需給関係が重要視されていた。東京都で実に33年間も新規参入がなかった原因でもある。同じくバス業でも、法改正前にはこの規制が存在した。  
◆◆ 緊急調整措置 ◆◆  
規制緩和後に著しい供給過剰が発生し、輸送の安全や旅客の利便が確保できない恐れがあると認められた場合、地域を限定して取られる措置。国土交通大臣の権限により、一時的な新規参入および増車を停止できる。このような事態を防ぐべく、前段階として地方運輸局の指定による「特別監視地域」の制度が設けられ、既に数多くの地域がその対象となっている。  
◆◆ AVM(Automatic Vehicle Monitoring System)システム ◆◆  
「車両位置等自動表示システム」。運行管理室において、各車両の動態を把握することが可能なシステムである。  
  



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