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【人材派遣業】業界動向/マーケティング情報

派遣社員という雇用形態は、企業にとっては正社員よりも安い賃金で雇えることで人件費の抑制につながる効果があり、登録社員にとっても業者を通じた確かなあっせんによる契約のもと、自分の希望に合った条件や環境で働けるという利点を持つ。

長期にわたる不況の影響により、国内企業の雇用形態はここ数年で大きく変化した。その象徴ともいえるのが、企業による非正社員雇用の拡大。中でも人材派遣業者に登録されているスタッフを企業等に派遣する「派遣社員」の数は大幅に増加し、業界自体もわずか数年で急激な成長を遂げることとなる。

厚生労働省の発表では、平成19年度における国内の派遣労働者数は約384万人(過去1年間に雇用のあった登録者を含む)。5年前(平成14年度)と比べて約1.8倍、平成10年度(約90万人)との比較では4倍超にまで膨れ上がった。事業所数(注)は5万0109(平成19年度)。こちらも平成10年度から5倍の増加となり、業界全体の年間売上は約6兆5000億円にまで達している。

市場が成長する中で最初に問題視されたのは、年々進行する派遣社員の高年齢化だった。厚生労働省の統計(2006年賃金構造基本統計調査)によれば、派遣社員を含む非正社員の平均月給は正社員の6割程度にとどまっており、40代でも月給が平均20万に届かない低水準となっている。

人件費削減の目的で派遣社員を大量雇用する企業が増え、日雇い派遣をはじめとした形態の多様化も進んだことから、「低所得者層」「ネット難民」といった言葉が連日ニュース等で聞かれるようになり、派遣労働の在り方も、今日の格差社会を象徴する深刻な問題として取り上げ始められた。

長期的な雇用が保障されないことや、30代以上の低所得者層が増加しつつあること、そして雇用主の一存で職を追われてしまう「派遣切り」の実態が全国的に明るみになったことなど、必ずしも市場の発展が良い効果を生み出すとは限らない現状も問題視されている。そして本来認められていない業種への違法派遣や、登録者、派遣先とのトラブルといったモラルに関わる部分においても、急激に成長してきた業界だけに、まだまだその不安は大きい。

平成16年3月に労働者派遣法が改正され、派遣期間限度の延長(最長3年、一部業種は無制限)、派遣対象業務の拡大、派遣期間終了後の直接雇用の促進など、労働者派遣事業の環境は徐々に良化されてきたとはいえ、もともとは子どもを持つ女性をはじめとした、自由の幅が利く働き方を望む人が主に利用していた労働形態である。

事実として派遣労働者が年々増え続ける現状は、必ずしも社会に良い影響を与えているとはいえない。どんな業界にも供給の度合いには必要限度というものがあり、時には本来あるべき社会の在り方を考えながら、いかにして共存すべきかを模索することも大切であるといえる。景気の衰退に反比例して伸びてきた市場だけに、業界各社には将来を長期的な視野で捉え、時代に合ったサービス提供の形を考える柔軟さが求められていくことになるだろう。

(注)
事業年度終了後、労働者派遣法に基づく報告書を厚生労働省に提出した派遣元事業所の数。一般労働者派遣、特定労働者派遣の両事業所を含む。
 

この業界の関連サイト

社団法人 日本人材派遣協会(http://www.jassa.jp/index.php)
厚生労働省(http://www.mhlw.go.jp/)



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