製粉原料である小麦の種粒は胚乳と外皮に分けられ、胚乳は小麦粉となり外皮は配合飼料の原料である「ふすま」となる。小麦粉は80%近くがパン・めん・菓子・クッキー・マカロニ等の二次加工食品となり、種類は「薄力粉」「普通粉」「準強力粉」「強力粉」「デュラム粉」に大別される。
業界の大きな特徴として、輸入品が約90%を占めていること、さらにその買い入れと売り渡しは政府が管理していることが挙げられる。国産麦に関しても以前は政府の管理下にあったが、平成10年に農林水産省議決定された「新たな麦政策大綱」により民間流通の仕組みが普及してきている。また、「内外麦コストプール方式」といった業界慣習による取引もあり、まだまだ国の保護政策下にある業界といっても過言ではない。

小麦の国内生産量は、98万5000トン(平成元年)、63万8000トン(平成5年)、57万トン(平成10年)、86万トン(平成16年)と推移しており、農作物ゆえに、気候などに左右されやすい特質が数字に表れている。一方で輸入量は、518万トン(平成元年)、560万トン(平成5年)、567万トン(平成10年)、549万トン(平成16年)と推移しており、こちらは大きな変動を見せていない。
粉生産量は2次加工食品の需要動向に左右されやすいが、パンやめん類が主要食として国内食文化に根ざしているため、大きな成長は期待できなくとも比較的安定した需要が見込めるという見方ができる。流通はシンプルで、メーカー⇒一次卸⇒二次卸⇒三次卸⇒二次加工業者の流れと、メーカーおよび一次卸から二次加工業者に直送される流れが中心である。平均的な原材料比率は約60%で人件費や物流費の上昇と販売価格の低下から、IT化が遅れている中小企業にとっては厳しい経営環境にあり、生産管理や物流管理・拠点管理などの対応策が急がれる。