毛織物業(繊維)|フィデリ・業種ナビ

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【毛織物業】業界動向/マーケティング情報

 戦後、国民の洋装化への流れが進んだことで、毛織物業も大きく成長することとなった。市場の拡大が落ち着いた後も輸出量を増加することで生産規模を維持していたが、他の繊維業界と同様に、安価な製品を作るアジア諸国の追い上げや、輸入自由化などの規制緩和といった圧迫を受ける形で、業界は厳しい状況に置かれている。
 
 天然繊維志向の高まりから需要を取り戻しつつある動きを見せた時期もあったが、近年は国内企業が海外に製造拠点をシフトさせるなど、国内生産の縮小ぶりが目立つようになっている。平成2年に3億3500万㎡あった生産量は、平成15年には7800万㎡と約4分の1にまで減少している。
 
 都道府県別のシェアを見ると、尾州産の毛織物として全国的に有名な愛知・岐阜の両県が全国生産量のほとんど占めている。業界の大部分である中小零細業者が中心になった分業制の生産組織になっており、毛織業者のほか、紡績や撚糸など、原料から製品までの一環生産体制が確立している。
 
 毛織物は多品種で消費者の嗜好性も強く、量産効果が望みにくい。したがって生産の大部分は細かいアパレルメーカーの注文に対応できる小規模業者に集中している。操業は長時間で工賃単価も安いことから、後継者不足に悩んでおり、さらなる企業数の減少は避けられない情勢となっている。
 そんな中、明るい話題もある。日本羊毛紡績会が発表した梳毛糸需給見通し(平成17年7月〜18年6月)によると、当期需要をマイナス3%の小幅減少と予測している。貿易環境にも大きな変動がなく市況好転の兆しが強いという。商品企画も活発に進行しており、政府が提唱しているウォームビズ、クールビズも追い風となっている。毛織物の需要は気候に左右されることも多く、これからの業界動向は不透明だが、時代の流れに機敏に乗った商品の開発努力を怠らず体力強化に努めたい。
 
 厳しい寒さに見舞われた昨冬は、カシミヤやアルパカ、モヘアなど高級天然毛を使った冬物衣料が売上を伸ばした。今冬も引き続き消費好調が予想され、アパレルメーカー各社は増産態勢に入っているが、経済成長の続く中国で富裕層の衣料消費量が増加し、加工業者の原料調達が盛んになるなど、衣料向け高級天然毛の需要は引き締まる傾向にある。天然毛は世界的に減産が続き、今後も高値で推移すると思われる。最終製品への価格転嫁が予想されるため、毛織物の需要拡大に水を差すことにならないか危惧されるところだ。
《業界情報サイト》
日本羊毛紡績会(http://www.woolmark.gr.jp/)
津島毛織工業協同組合(http://www.aiweb.or.jp/tsu-wool/)
 



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