紳士既製服製造業(衣類)|フィデリ・業種ナビ

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【紳士既製服製造業】業界動向/マーケティング情報

 紳士服はスーツ・上着・ズボン・オーバーコート・礼服の5品目を指すのが通例である。紳士既製服とはあらかじめいくつかの種類のサイズに仕立てられた製品の呼称で、注文を受けてから仕立てるオーダーメードに対して「レディーメード」と呼ばれる。
 
 紳士既製服の製造は、毛織物の配給統制が解除された昭和25年以降に本格化。30年代からは大量生産の時代に入り、高度経済成長に支えられて市場は拡大した。その後、DC(デザイナー&キャラクター・ブランド)ブームなどによる消費者ニーズの多様化を経て、バブル崩壊による景気後退を受ける形で郊外型専門店による低価格戦略が始まった。現在の消費者ニーズは、低価格品と高級品の二極化が進んでいる。景気の回復傾向を受け、昨年になって衣料品の消費がようやく上向き、紳士服もカシミヤ製のコートなど高級な素材を使った商品の売れ行きがよい。また低価格品では若年層を対象にしたツープライス・スリープライス商品が人気を集めている。
 
 事業の形態は、商品計画を行い縫製まで手がける、いわゆる紳士服アパレルと、下請け縫製メーカーに分かれる。スーツの製造には120前後にもなる複雑な工程があるといわれ、労働集約度が高い。積極的に機械による省略化を図っているが、縫製部分は機械化が難しい工程が多く、合理化には限界がある。
 市場は売れ残りを前提とした見込み生産のため、慢性的に供給過剰状態が続いている。製造原価の約3倍が目安という小売価格で、売れる時期も限られているため、全製造量の半分が値引きによって販売されているという現状がある。しかし郊外店の台頭で、百貨店などにも買い取り方式によるプライベートブランドの導入が増え、SPA(商品の企画・生産・販売を一体化した企業形態)への取り組みとともに、業界の構造改革は進んでいる。
 
 消費者ニーズの多様化に対応し、素材メーカーとアパレルメーカー、小売が一体となり、輸入品などとの差別化を図らなければならない。そのため、環境問題への意識の高まりを受けた、環境にやさしい商品などの開発もこれからますます活発になるだろう。
 
 クールビズの定着に伴って職場での軽装化が徐々に浸透しつつあり、スラックスとの組み合わせで多様な着こなしが可能な紺色のブレザー、いわゆる「紺ブレ」の売れ行きが伸びている。しかし景気が回復傾向であるにもかかわらず紳士衣料の消費は低調に推移しており、紺ブレが飛躍的な市場拡大をもたらすとは考えづらい。今後はリストラなどで収益性を改善して財務体質強化を図る一方で、インターネットショッピングなどの直販機能を強化するなど新たな事業展開を模索していきたいところだ。
《業界情報サイト》
(社)日本アパレル産業協会(http://www.jaic.or.jp/)
 



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